研究者 留学体験記

究者 留学体験記

目黒 和行先生
留学先紹介

私は2017年5月より米国National Institutes of Health (NIH) に留学に来ています。NIHは27の研究所を擁する全米最大の医学研究機関で、各地にキャンパスがありますが、最も大きなキャンパスはワシントンDC郊外、メリーランド州東部に位置するベセスダキャンパスです。自然豊かなキャンパスで、歩いているとグースや鹿に出会うこともあります。
私の所属する研究室はNational Institute of Allergy and Infectious Diseases(アレルギー感染症研究所)のヒト免疫疾患研究ユニットです。免疫学研究ではこれまでノックアウトマウスなどを利用した動物モデルでの研究が主流でしたが、最近はヒトゲノムシークエンス技術の発達、ゲノム編集技術の確立、iPS細胞樹立、培養技術の普及などの技術的な後押しを受けて、ヒト免疫学が発達してきています。私達の研究室では、幼少期から重篤な免疫疾患を多発する家系を対象に、全ゲノムシークエンスにより遺伝情報を網羅的に解析し、原因遺伝子の同定、発症メカニズムの解明を行っています。NIHの良いところは、世界中から多くの分野の研究者が集まっており、共同研究を行いやすいことです。また、臨床と研究の距離が近く、研究に必要な検体の入手が行いやすいことなどもとても良い環境だと思います。私はこのクリニカルゲノミクスの手法でヒトにおける免疫関連遺伝子と病気の関係 を明らかにし 、将来的には関節リウマチや気管支喘息、アレルギー疾患など患者さんの数が多い疾患のメカニズム解明、新規治療法の開発につなげることを目標に研究を行っています。
ヒト免疫学は予想していた以上にエキサイティングで、毎日充実した研究生活を送っています。

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