研究者 留学体験記

究者 留学体験記

宮川一平先生
留学先紹介

産業医科大学第1内科の宮川一平です。2020年10月よりフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク(Medizinische Klinik 3, Prof.Georg Schett)においてポスドクとしての留学生活を開始しました。

このコロナ禍の中ですので、通常日本人はドイツ入国に際しVISAは不要(入国後滞在許可申請)ですが在大阪ドイツ領事館にVISAを発給してもらい、日本ですら警察にお世話になったことが無いにも関わらず、国境管理を管轄しているドイツ連邦警察と事前にコンタクトを取り、鶴のマークの航空会社にボーイング787を貸し切り状態(7・8名)で飛ばしてもらい、12時間半のフライトを経てようやく予定より6ヶ月遅れで入国を果たしました。おかげで出入国とは?VISAとは?滞在許可とは?外務省とは?内務省とは?杉原千畝?樋口季一郎?と研究に先んじてお腹いっぱい社会科・世界史の復習をさせていただきました。今でもドイツ外務省と内務省のホームページはお気に入りです。

さて、私が住んでいるエアランゲンですが、バイエルン州にあり、北緯49度(パリや日本近郊でいうと間宮海峡とほぼ同緯度)にある人口約11万人のコンパクトな都市です。これまで筑前国から出たことのない私にとっては慣れない寒さですが、大学およびジーメンス(SIEMENS)が街の中核をなす医療・医療工学都市であり非常に静かで治安の良い町のように感じます。また世界にここだけでしょうか?珍しいことにアディダスとプーマ専門のアウトレットモールがあります。娯楽施設はあまり無いようですが、研究生活に娯楽は必要か?と自問自答を繰り返し、三日三晩泣き続けた後、諦めがついたのか楽しく研究生活を続けています。本題の研究に関しては、ボスから「必要なものは何でも使って良いよ。何しても良いよ。」という大変ありがたいお言葉を頂戴しましたので、日本的な遠慮の精神は捨て去り、完全にお言葉に甘え興味のおもむくままに、生まれて初めてマウスを使い「関節リウマチにおける翻訳後修飾」と「破骨細胞の多核化」に関する実験を行っています。

ドイツは、皆様御存知の通りビールが大変有名で、ビール純粋令という500年ほど前に作られた法律があるほどです。スーパーに行けば水より安いビールが沢山、ワインも沢山あります。日本でもっぱら焼酎派(芋ロック)でしたが、帰国するころには研究だけではなく、酒の守備範囲も世界レベルに到達(?)などと思っています。このように愉快な文章がすらすら書けるほど刺激的なことばかりで日々楽しく生活しています。留学を考えている先生がいらっしゃいましたらぜひドイツも検討されてみてはいかがでしょうか。

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