研究者 留学体験記

究者 留学体験記

渡部 龍先生
留学先紹介

私は2007年に東北大学医学部を卒業し、東北大学大学院血液免疫病学分野にてT細胞におけるオートファジーの研究(藤井博司先生に師事)で博士号を取得しました。2015年から2019年までStanford University School of Medicine(Prof. Cornelia M. Weyandに師事)に留学させて頂き、巨細胞性動脈炎の病態解明や新規治療法の確立を目指した基礎研究を行いました。

当ラボは、主に3つの疾患の研究を行っており、①巨細胞性動脈炎(GCA)、②関節リウマチ(RA)、③冠動脈疾患(CAD)です。①GCAに関しては、Prof. Weyandは世界的な権威であり、N Engl J MedにReview articleを2回掲載しています、また数多くのOriginal articleをTop journalに報告し続けています。②RAに関しても免疫代謝(Immunometabolism)に関する報告を数多く行っており、最近もNat ImmunolにReview articleを掲載しています。③CADに関しては、近年はマクロファージ代謝を中心に研究を行っております。日本人が代々留学しており、そのほか、ドイツ人や中国人などが留学に来ています。

スタンフォード大学は、サンフランシスコから南東約60㎞のところに位置し、全米で一番の敷地面積を有します。いわゆるシリコンバレーの中心地にあり、周囲には、AppleやGoogle、Facebookといった有名企業が数多く存在し、卒業生たちが数多く在籍しています。また、非常に治安もよく、日本人も多いため、スタンフォード日本人会(SJA)も存在し、子育てに関する情報なども共有が可能です。非常に日本人にとって、暮らしやすい街ですが、家賃の高騰は難点です。

言語の壁や、留学に伴う金銭的負担もあり、楽しいことばかりではありませんが、留学で得られることは非常に多いと思います。基礎研究に集中できること、その成果をTop Journalに掲載できる可能性、また研究以外のアクティビティも充実しており、医療業界以外の人、例えば、官僚や弁護士、Googleなどにも一生ものの友人ができます(添付写真参照)。もし、スタンフォード大学に留学を考えている方がいらっしゃいましたら、いつでも気軽にご相談頂ければと思います。

Dr. Ryu Watanabe
Affiliation; Kyoto University

His research is to elucidate the pathophysiology of giant cell arteritis and establish new therapeutic approach. For instance, his study revealed the significance of PD-1/PD-L1 axis in the pathology of GCA.

Research topic: vasculitis
Publication: J Clin Invest 2017.,

サンフランシスコマラソンにて友人たちと(向かって一番右が筆者)
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